EVコラム

HOMEEVコラム後悔しないためのホームエレベーターの選び方

後悔しないためのホームエレベーターの選び方

1.ホームエレベーターのメリットは?

■高齢者の移動が楽になる

ホームエレベーターの設置メリットは、年齢や性別などでいろいろあります。
特に高齢者や車椅子を利用されている人たちだけではありません。
階段の上り下りでの転倒・転落事故などのリスクを軽減でき、住む人の安心・安全につながります。

■子育てママの家事楽につながる

次にホームエレベーターのメリットを感じられるのは、子育て真っ最中の主婦の方です。
都心部の注文住宅では、三階建てや四階建てなどの縦型の住居が増えているので、子育て真っ最中の主婦の方も、縦の階の移動にホームエレベーターが利用できると家事がかなり楽になります。
想像してみてください。1階の子供部屋から屋上ベランダまで布団の上げ下ろしをすることを・・・体力のある主婦でも、布団の上げ下ろしを何度もすると家事労働が大変になりますし、何より階段を踏み外すなどの怪我の危険性があります。
ホームエレベーターを設置するとこれらの家事が楽になります。

■二世帯住宅で全世帯に階層を気にせず住める

二世帯住宅ですと、親世帯が1階、子世帯が3階で2階がリビングなどの間取りを取る家が多いと思います。
ホームエレベーターがあれば、階段の上り下りの大変さが無くなり(リスクも軽減)、高齢の親世帯が3階に住んで二世帯住宅を満喫することも可能です。
ホームエレベーターがあれば、どの世帯でも階層を気にせず住むことができるので、間取りのプランニングに自由度が広がります。

2.ホームエレベーターのデメリットは?

ホームエレベーターを設置デメリットは、設置費用やランニングコストが高いことです。
その他には設置スペースの問題なども注意点として挙げられます。

■家屋や関連設備の工事も必要

ホームエレベーターの初期費用は、本体の購入費や設置工事費だけでは済みません。
新築の場合は、設計段階からそれらの工事を組み込んで建てますが、その分建築費や設備工事費が増える要素になります。
既存の住居にリフォームしてホームエレベーターの設置を考えると、さらに大規模なリフォーム工事が必要になります。

■建築工事に含まれるもの

各階の扉となる穴を開ける工事、エレベーターが行き来するための縦の通路を設ける工事、エレベーターを固定する基礎や動力ユニットなどを収めるために基礎スペースを作る工事が必要になります。(サンユー建設は建築のプロとして工事の提案をいたします)
また、エレベーター機器を昇降路に入れるための荷上用の梁やフックの設置、昇降路内の仕上げ、各階の乗り場の枠周りの仕上げなど、建築コストが高くなります。

■設備工事に含まれるもの

ホームエレベーター専用のブレーカー設置、昇降路への電源線の引き込み、電話線の引き込み工事、電話会社との契約、工事用の仮設電源供給工事、試運転用の本設電源供給工事などが必要になります。
また、火災時管制運転やインターホンといったオプションを選択した場合は、それぞれの設備の電線を引き込む工事も必要です。

3.ホームエレベーターの設置ポイント

ホームエレベーターを新築の家に導入するには、構造上の問題など注意しなくてはならない点がいろいろあります。数々のホームエレベーター導入実績を元にホームエレベーター設置ポイントを説明します。

■ホームエレベーターの設置場所は?

ホームエレベーターの設置は、室内のため都内を中心とした狭小住宅などは設置場所に工夫が必要です。
また、ホームエレベーターは個人住宅での使用に限られているため、出入り口が家の外に面しているような配置はできません。
ホームエレベーターは、玄関近くに設置するケースが多いですが、階段の近くにエレベーターを作る場合は構造的の注意が必要です。
ホームエレベーターを設置するということは、家の中に筒状の空間を作るため、階段や床に穴を開ける形になります。ホームエレベーターと階段を近い場所に設置する場合は、きちんと構造計算しないと床の強度が弱くなることがあって、注意が必要です。
ホームエレベーター設置に必要なスペースは1畳くらいですが、床下にもエレベーターを動かすための機械を入れる、深さ100cm程度のスペースが必要になります。

■ホームエレベーター設置に関する法的設置基準

特に都内などでは新築を建てる際、建ぺい率や容積率の制限が気になります。
都内では土地も限られているので、敷地内で目一杯に家を建てようとするケースも多いですが、2014年に建築基準法が改正されて、ホームエレベーターは延床面積に含まなくて良いことになりました。
これにより、狭小地に建てる住宅などでも、ホームエレベーターを設置しやすくなりました。

■リフォームでホームエレベーターを設置するには?

「今は必要ないけど、いずれホームエレベーターを入れたい」と考える方も多くいるでしょう。
しかし、新築時に導入するのと比べると、リフォームなどで後からホームエレベーターを設置する場合は、確認や検討をしなければならない点が多く、難易度が増します。
「鉄筋コンクリート造やRC造であれば、骨組みのあるところにはホームエレベーターが通る空間を作ることができないので、設置場所が限られます。また木造は、ほとんどの場合、基礎に補強工事が必要になるでしょう。
そもそも木造は柱や梁が組み合わさって家を支えているので、それらを避けてホームエレベーターを設置するのはかなり大変になります。
さらに、ホームエレベーターの動力ユニットを入れるスペースを作るために、一部の基礎を壊して掘削工事(はつり工事)が必要になります。
それゆえ、リフォーム等で後からホームエレベーターを設置する場合、設置費用は、新築よりもさらにアップします。
木造で耐震補強を施す大掛かりなリノベーションになると、全体で1000万以上もかかったというケースもあります。
リフォームの場合は次のようなさまざまな要素によって金額が変わりますので見積りを取りましょう。

■ホームエレベーター設置に必要な工事

ホームエレベーターを設置するには、基礎の一部を壊す掘削工事が必要で、ホームエレベーターが設置できないケースもあります。
ホームエレベーターメーカーによっては、掘削する深さが20cmで済む製品もあるので、工事負担が大分に軽減されます。また、リフォームで後からホームエレベーターを設置する場合は、建物と切り離して昇降路を設置することで建物への負荷を軽減する自律鉄塔方式を採用するケースも多いです。ただし、自律鉄塔方式は2階建てまでしか設置できないメーカーもあるので、事前に確認が必要です。

4.ホームエレベーター設置の補助金や助成金

■長期優良住宅化リフォーム推進事業

この補助金は、必須工事を行った上で追加申請できる補助金です。
性能向上リフォームのほか、バリアフリー改修工事や高齢期に備えた住まいへの改修工事など、補助対象となる工事にホームエレベーターの設置が含まれる場合があります。

この補助金は、年度ごとに設定されていて、令和5年度(2023年)についてはスタートしていないので詳細はまだですが、大枠は決まっています。(今年度分は締め切っています)
詳細については、募集が開始されると国交省のホームページに掲載されますので、こまめに確認するようにしましょう。

■こどもみらい住宅支援事業

直接的にホームエレベーターの設置にかかわる補助は、リフォームが対象となります。
リフォームの必須工事と組み合わせたバリアフリー改修の一環として、ホームエレベーターの設置に対して1戸あたり最大で15万円の補助金を受けられます。

■自治体による補助金

国交省の方針に準じて、各自治体でも、自宅の改修でホームエレベーターを設置するときの補助金や助成金を設けているところが多くあります。行政によって、条件や支給額が異なるので、お住いの自治体のホームページで、住宅支援制度を確認してみましょう。
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